もうすぐやってくる夏に備えて、熱中症について簡単なことを知っておきましょう。大切なのは、熱中症について知ることと、予防に心掛けることです。熱中症には次のような4つの病状があります。
(参考)公益財団法人 日本体育協会WEBより

熱失神

皮膚血管の拡張によって血圧が低下し、脳血流が減少しておこるもので、めまい、失神などがみられます。顔面そう白となって、脈は速くて弱くなります。

熱疲労

脱水により、脱力感、倦怠感、めまい、頭痛、吐き気。

熱失神・熱疲労の場合

涼しい場所に運び、衣服をゆるめて寝かせ、水分を補給すれば通常は回復します。冷たい水分だと胃けいれんを起こす場合がありますので注意が必要です。足を高くし、手足を末梢から中心部に向けてマッサージするのも有効です。

熱けいれん

大量に汗をかいたときに水だけしか補給しなかったら、血液の塩分濃度が低下して、足、腕、腹部の筋肉に痛みをともなったけいれんがおこる可能性があります。

熱けいれんの場合

生理食塩水(0.9%)を補給すれば、通常は回復します。塩分濃度の低い水分の補給は控えた方が良いです。

熱射病

体温の上昇によって中枢機能に異常をきたした状態。意識障害(反応が鈍い、言動がおかしい、意識がない)がおこり、死亡率が高い危険な状態になります。

熱謝病の場合

死の危険のある緊急事態です。体を冷やしながら、集中治療のできる病院へ一刻も早く運ぶ必要があります。いかに早く体温を下げて意識を回復させるかが予後を左右するので、現場での処置が重要です。